林田力 東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った 書評 Facebook Amazon

林田力 東急不動産消費者契約法違反訴訟

林田力『東急不動産だまし売り裁判』『二子玉川ライズ反対運動』

銀河英雄伝説10

田中芳樹原作、藤崎竜漫画『銀河英雄伝説10』はアムリッツア会戦から、皇帝崩御、リップシュタット盟約が描かれる。新皇帝エルウィン・ヨーゼフ2世の危なさに驚かされる。これの亡命を受け入れ、亡命政権を樹立させたトリューニヒトへの嫌悪が深まる仕掛けである。原作ではヤンがトリューニヒトを過剰に嫌っていたようにも見えたが、ヤンの嫌悪感に共感しやすくなる。

ラインハルトは最初から新皇帝の擁立に関わっていない。後からリヒテンラーデ侯爵と手を組んだ。この方が新皇帝切り捨ての道義的責任は軽くなる。

ブラウンシュバイクの娘エリザベートやリッテンハイムの娘ザビーネは原作や石黒版アニメではほとんど描かれなかったが、本作品ではキャラクターが描かれる。活躍が描かれるか注目である。

一方で華々しく登場したベーネミュンデ夫人は出番がないまま皇帝崩御まで生存していた。キルヒアイスが屋敷の使用人に警護できる人材を配置した上にマリーンドルフ伯爵家ともつながりを持ったために手出しできなくなったのだろうか。

原作のアントン・フェルナーのふてぶてしさは好きなシーンであったが、本作品は暗殺未遂自体がカットされている。そのため貴族連合側は欠けることなく終結した。

原発マフィア

船瀬俊介原発マフィア』(花伝社)は原発利権の問題を明らかにし、自然エネルギーへの転換を主張する書籍である。

原発利権は多くの書籍が指摘するが、そこに秘密警察が関わっていたとする点が本書は詳しい。日本の原発推進者は「逮捕状なしでの逮捕、拷問などなんでもあり」の特高警察出身であった(29頁)。それが戦後はCIAの犬になり、原発を推進する。

ソ連チェルノブイリ原発事故もKGBが真相を隠蔽したとする(70頁)。チェルノブイリ原発事故は作業員のミスや構造的な問題が原因であり、日本では起こり得ないと説明されがちであるが、本書は地震が原因とする。福島第一原発事故と重なる。

各国の秘密警察が原発を支えていることから、原発利権は巨大な警察利権と言えるのではないか。上が腐っているから、下も交通違反取り締まりノルマや交通安全協会利権、パチンコ利権が出てくる。

本書は福島第一原発事故での情報隠しを批判する。これも警察不祥事と共通する。

SDGs(エスディージーズ)はグローバルスタンダードです。

詐欺師のトーク

さいたま市桜区の住民の不安に詐欺商法があります。マンションだまし売り被害者として詐欺師のトークの特徴を説明します。人脈をひけらかしますが、具体的な決定事項は何も言いません。曖昧なことしか言わず、コミットしません。

詐欺師トークを判定する方法として、相手の質問に対してイエスかノーかで答えられる質問をします。詐欺師は直接答えず、誤魔化し、自分の説明を繰り返します。自分の言いたいことを相手に理解しようとするだけで、こちらの論点は無視します。相互主義がありません。こちらの質問に答えないということは真面目に向き合う気がない、相手を尊重する気がないということであり、詐欺師の確率が高まります。

上記に該当しながら詐欺師でないとしたら、それはそれで問題です。騙すという悪意はないとしても、こちらの期待には応えられない人物です。こちらが相手を理解することはできても、その逆が成り立たなければ相互主義になりません。振り回されて失望を味わうことになります。

銀河英雄伝説9巻

銀河英雄伝説9巻は帝国領侵攻作戦からアムリッツア会戦直前までである。原作を全て終わらせるまで漫画家の一生をかけても無理ではないかと思っていたが、テンポよく進んでいる。

ロイエンタールは奇をてらった陣形でビュコックに挑む。本作品のロイエンタールは芝居かかっている。原作ではバランスの取れた王道的な手法を採る存在と位置付けられていた。ユリアンからはラインハルト以上に保守的と評された。原作ではプライドが高かったことが破滅の理由であったが、本作品のように人生を芝居のように楽しむ性格があるならば反乱せずに済むのではないか。

ウランフの猛戦に敬意を示すビッテルフェルトはカッコいい。このようなところがケンプやレンネンカンプと異なり、最後まで生き残れた要素ではないか。

ラインハルト元帥府の提督達が登場する。石黒版アニメと異なり、ワーレンとルッツのビジュアルは大きく異なる。ワーレンは『貧乏神が』の変態執事を連想してしまう。

フィッシャーはアニメでは英国紳士風であったが、本作品では頑固親父の職人的である。艦隊運用の名人には合っているか。

ドワイト・グリーンヒルは無益な戦争を進めた自由惑星同盟衆愚政治に疑問を抱く。後の彼の行動につながりそうである。

瑠璃色の一室

『瑠璃色の一室』は現代日本を舞台としたミステリーである。帯にはホワット・ダニットと書かれているため、何が起きたかが問題と思いながら読み進めるが、それも著者の仕掛けかもしれない。実はフー・ダニットの要素がある。

本書には3人の視点人物がいる。章毎に視点人物が変わり、それが繰り返される。視点人物の一人は刑事である。刑事の捜査の進め方が分かるが、これでは冤罪が生まれると感じた。基本的に一人で進めており、上位のマネジメントが見えない。ねじ曲げた捜査をしようと思えばできてしまう。海外の警察物はもっと会議のシーンが多い。テレビドラマ『踊る大捜査線』の「事件は会議室で起きていない」は官僚的な形式的な無駄な会議を批判したものであるが、内部統制の観点で悪影響を与えているかもしれない。

本書の刑事には鋭い閃きがあり、冤罪を生まずに踏みとどまった。しかし、並の刑事ならば思い込みで突っ走り誤認逮捕になりそうである。また、若い女性に対する態度も外部から見れば問題である。性犯罪の警察不祥事が多いことが理解できる。

恋する力

藤本ひとみ『恋する力』は現代日本就職氷河期世代の女性を主人公とした恋愛小説である。いかにも恋愛小説風のタイトルであるが、朝から晩まで恋愛ばかりの話ではない。むしろ労働が自己実現にならない就職氷河期世代の生き辛さが描かれている。

少女漫画のような甘さはない。桶川ストーカー殺人事件を彷彿とさせる危ない人物も登場する。

主人公はパラリーガルである。債務整理中心の法律事務所で味気ない仕事をした経験がある。パラリーガルを搾取するブラック弁護士法人も現実に存在しており、主人公の満たされない気持ちは共感できる。

私にとって著者の作品と言えばフランス歴史小説である。本書は現代日本が舞台であるが、ナポレオンの話が随所に出てくる。フランス歴史小説を書いている著者らしさがある。

双亡亭壊すべし

双亡亭壊すべし』(小学館)はホラー漫画。週刊少年サンデー連載作品。双亡亭という古くからある屋敷を壊すことを目指す。この屋敷は古くからあり、人を寄せ付けない。中に入った人は出てこれなくなる。警察官も入っているが、失敗している。

破壊を目指す物語であるが、むしろ簡単に破壊されないことを期待する。日本の建築不動産業界は安直にスクラップアンドビルドを繰り返してきた。暴力的な地上げも行われてきた。それ故に屋敷を破壊しようとする人々が返り討ちにあう展開を期待したくなる。

同じ週刊少年サンデーでは『GS美神極楽大作戦』という連載作品があった。バブル経済の残り香を感じる作品で、不動産業者らの依頼を受け、開発の妨げになる不動産にとりついた霊を祓っていた。霊を祓う側が主人公側という構図は同じであるが、『極楽大作戦』では簡単に倒される敵であったものが、本作品では強敵である。開発至上主義が批判され、開発に対する感覚が変わってきていることを感じさせる。