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林田力 東急不動産消費者契約法違反訴訟

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時限の幻v 林田力wiki 書評

『時限の幻』は戦国時代末期の奥州を舞台として会津蘆名(芦名)家の家老を主人公とした歴史小説である。会津の執権と呼ばれた金上盛備が主人公である。蘆名は伊達政宗に滅ぼされた大名である。歴史ファンであっても戦国のヒーロー伊達政宗に潰される障害の一つという程度の認識が一般的である。その蘆名の視点の物語という点で先ず新鮮である。

奇しくも福島第一原発事故からの復興が社会的なテーマとなっている。大河ドラマも会津を舞台とした『八重の桜』が放送される。福島の復興を応援する立場としても、会津視点の歴史小説は楽しめる。

主人公の知名度は低いが、織田信長や豊臣秀吉との対面シーンや伊達政宗を視点人物としたパートなどがあり、マニアックな蘆名家のファンでなくても楽しめる。伊達家や芦名家に起きたことのほとんどが相手方による陰謀として描かれている。政宗が奥州の覇者になった過程に新鮮な視点を提供する。

伊達政宗と言えば一代で奥州の覇者となった暴れん坊である。しかし、周辺の大名の視点で見ると政宗以前から伊達は強国であった。戦国大名は個人の才覚が強調されがちであるが、織田信長にしろ武田信玄にしろ父親の代からの蓄積を活かした面がある。伊達政宗にも同様な側面があることが理解できる。

金上盛備は伊達政宗の好敵手に相応しい知謀の武将である。政宗とは一進一退の攻防を繰り広げ、天下人の信長や秀吉とも渡り合う。しかし、人身掌握の点では問題がある。芦名の有力家臣から反発や離反が相次ぐが、同情できない。金上は最も忠実な味方になるべき相手にも真相を隠した。真相を知らされない家臣が疑念を抱くことは当然である。結果オーライで済まされるほど世の中は甘くない。敵に回してはならない親しくない相手に興奮して暴言を吐き、離反される。暴言を吐いた側は「一時の興奮による言葉で、深い悪意がある訳ではない」と軽く考えがちであるが、吐かれた側は根に持つものである。相手を尊重する配慮がなければリーダーの資格はない。最後の最後で金上も反省するが、基本的に古いタイプの人間である。政宗に滅ぼされることは必然的である。敗者の歴史を描きながらも、敗者を過度に美化しない歴史小説であった。林田力wiki

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