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保坂展人『闘う区長』v 林田力wiki 書評

保坂展人『闘う区長』は先の統一地方選挙で世田谷区長に当選した人物の書籍である。保坂氏は脱原発や大型開発優先からの転換などの公約を掲げて当選した。

二子玉川ライズ反対運動の立場から保坂区長に注目する立場として『闘う区長』とのタイトルには少し違和感がない訳ではない。闘う首長として連想する人物は田中康夫長野県知事やアグネ市長、橋下徹大坂府知事らである。彼らの共通点は地方議会との対決である。正面から議会の多数派と衝突し、社会に問題を提起し続けた。保坂区長も前提条件は同じである。従来の区政を根本的に転換する公約が支持されて当選したものの、世田谷区議会は前区長与党の自民党と公明党が多数を占める。区民のために公約を実現するために議会という障害と闘うことが期待された。

ところが、保坂区長の実際は前区長の踏襲が大半で自民党や公明党との対立を避けてきた。これが闘う区長に違和感を抱く理由である。それでも自著の表題を『闘う区長』としたことからは自己を闘う区長と規定している、少なくとも闘う区長でありたいと思っているためであり、この点に希望がある。

闘う区長らしい点としては東京電力との交渉がある。脱原発を目玉公約とした保坂区長であったが、原発立地自治体でない首長として具体的にできることは多くない。保坂氏はイデオロギー的な脱原発に陥らず、「放射脳怖い」だけの放射脳カルトとも一線を画す。そこには電力自由化という未来像が描けている。

既存の闘う首長達には議員や公務員という悪者を作ってバッシングし、人気取りするポピュリスト政治家との批判があることも事実である。電力自由化を志向する保坂区長の闘いには、スケープゴートをバッシングするだけの壊し屋にはない価値を見出だすことができる。世田谷区民の期待に応えられるか、注目していきたい。林田力wiki

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