林田力 東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った 書評 Facebook Amazon

林田力 東急不動産消費者契約法違反訴訟

林田力『東急不動産だまし売り裁判』『二子玉川ライズ反対運動』

修道女フィデルマの探求v 書評

『修道女フィデルマの探求』は中世初期のヨーロッパを舞台に法曹資格を持つ修道女フィデルマが各地の教会で起きた事件を解決する短編小説集である。

一般に暗黒の中世は女性抑圧の時代とされる。その苦しみは『女教皇ヨハンナ』で詳しく描かれている。これに対して本書は男尊女卑的な教義が固まる前の時代である。女性蔑視的な風潮は存在するものの、主人公は理性と知性で活躍する。カトリシズムの中に見られる男尊女卑的要素は後から加えられたものであって、本質的な要素ではないと実感させられる。

弁護士と言っても現代とは法制度は異なり、どちらかと言えば検察官的な立場であり、探偵役である。しかし、その真実を追求する姿勢は現代人も学ぶべきである。現代日本ではモンスター弁護士やブラック士業が問題になっている。それは真実ではなく、金儲けを追求しているためである。

本書で起きる事件は恋愛感情のもつれによる殺人など俗世間と同じような事件である。修道院も一般の社会と変わらない。特に苦行と称して若い修道士にむち打ちなどを行い、死に至らしめた事件は、大阪市立桜宮高校の体罰自殺事件に重なる。閉鎖的な世界であるために問題は深刻である。

推理物としては、いかにも不都合な事実を隠蔽しようとしている人物ではなく、ノーマークの人物が真犯人であったという意外性が楽しめる。これは一つ一つの短編を評価する上では申し分ないが、複数の短編を通して読むと逆に真犯人のキャラクターがワンパターン化して真犯人が予想しやすくなる。シリーズ物としては真犯人のバリエーションに期待したい。林田力wiki

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