林田力 東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った 書評 Facebook Amazon

林田力 東急不動産消費者契約法違反訴訟

林田力『東急不動産だまし売り裁判』『二子玉川ライズ反対運動』

反共意識の類型3

第三に社会主義型と呼ぶべき類型がある。社会主義者や社会民主主義者の立場から共産主義者と一線を画す。しかし、社会主義者や社民主義者が共産主義と一線を画すことの積極的意義を見出すことは難しくなっている。

まず社会主義は、旧社会党が長らくマルクス主義に立脚した綱領を掲げていたように社会主義者の多くもマルクス主義をベースとしている。マルクス主義者でありながら、共産主義ではなく、社会主義であるということに思想的一貫性としての魅力は感じにくい。

55年体制下では自民党に代わる政党としては社会党しかなく、共産党ほど徹底していないという性格に実際的意義があった。しかし、今や社会主義に基づかない非自民政党は幾らでもある。自民党が嫌いという理由で社会主義政党に投票する意味はない。

社会民主主義には共産主義と一線を画す大きな歴史的意義があった。市場原理主義(ハイエナ資本主義)が横行する現代日本でも社会民主主義的な役割が強く求められている。しかし、既に共産党が事実上、社民主義的な役割を果たしている。共産党側が自己を修正主義とは絶対に認めないとしても、今や一足飛びに共産主義革命を目指そうとは主張していない。議会制民主主義の枠内で行動している。この状況で社民主義を唱えたところで、共産党に対する現実的な対立軸にはなりにくい。

社民党村山富市元首相は2013年8月8日に「社民党はこのままいっても先がない。憲法や原発問題といった共通の課題で、党にこだわらず勢力を結集しなければならない。社民党が火付け役になって新しい党を作り上げていくこともある」と述べた(「村山元首相「社民は先がない」 解党し護憲勢力結集促す」朝日新聞2013年8月19日)。社会主義も社民主義も結集軸にはならない状況を示している。

http://hayariki.jakou.com/futako/14.htm

一方で市民運動家レベルでは興味深い動きがある。ジャコバン主義や安藤昌益などマルクス以前の社会主義的思想を再評価する傾向である。マルクス主義者は空想的社会主義への逃避と批判するだろうが、反共の社会主義者としての思想的一貫性を追求した帰結と評価できる。

社会主義型は、脱原発や護憲など当面の政策課題では共産党と重なる面が多い。しかし、共産党が一点共同を掲げても、過去の対立の経緯から失敗することも多い。これは後述の個人経験型とも重なる。空想的社会主義科学的社会主義の優劣を論じるような姿勢ではなく、ポストモダニズム的な価値多元主義のスタンスで相手を認める姿勢が求められる。

選挙 (東急不動産だまし売り裁判)

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控訴審 (東急不動産だまし売り裁判)

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