林田力 東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った 書評 Facebook Amazon

林田力 東急不動産消費者契約法違反訴訟

林田力『東急不動産だまし売り裁判』『二子玉川ライズ反対運動』

東京都知事選挙不意討ち論

東京都知事選挙出馬表明フライング論というものがあるが、論者の主張を吟味すると、むしろ「不意討ち論」と称した方が相応しいように思われる。フライング論と言うと、フライングは存在しないと主張したくなる。出馬希望者は候補者調整という役回りを負わなければならない筋合いはない。

また、もしフライングが問題ならば、待てばよいという話になる。現実に年明けに出馬表明すれば団結できたとの見解もあるが、それは根底にある、より幅広い支持が得られる候補者という問題意識を隠してしまう。こちらの方が深刻な問題である。

他候補擁立で動いていた人々にとって、出馬表明しないと思っていた人が出馬表明したために、不意討ちと受け止めただろう。私は候補者擁立で動いていた人から25日がデッドラインと聞いていたため、28日の出馬表明は予定調和であった。

知名度のある人との問題意識に対しては宇都宮けんじ氏が反論している。幅広い支持という点も細川護煕候補を上回ることで結果を出している。

幅広い支持を求める場合、自分達よりも少し右寄りの人々の支持を得ることが左派のオーソドックスな戦略であった。細川支持の論理も、これである。しかし、この右隣への支持拡大戦略は経験的に成功確率が低い上に、政策の重心もシフトしてしまうという反作用がある。脱原発至上主義の細川候補は、その最も悪い形である。

右隣への支持拡大戦略を採る人々からすると、宇都宮支持者は「孤立を怖れず前進を」のゴーイングマイウェイ路線に見える。

ヴァーナ・ヴィンジ著、中原尚哉訳『星の涯の空』は文庫本上下巻からなるSF作品である。『遠き神々の炎』の続編である。

犬型集合知性生物の鉄爪族が中世的文明を営む惑星に不時着した人類の物語である。一般にSF作品は未来の科学技術を扱が、その技術がオールマイティー過ぎると物語にならないこともある。そのために制約条件が導入されることもある。本書は非常に科学技術が進んだ世界を出発点としながら、その世界が崩壊し、そこから逃れた少数の人々で科学文明を再建しようとする物語である。

主要キャラクターも、あっさりと死んでしまうシビアな物語である。物語は練られている。序盤で無鉄砲娘のヨハンナが無鉄砲なことをする。一時的な混乱を引き起こすだけで、本編には影響を及ばさない。何のためのエピソードか分からないまま忘れてしまったが、上巻の終わりで意味を持ってくる。

元々の科学文明は非常に高度であったため、プログラミングも原始的な作業と受け止められている。現代人にとって火打ち石で火を起こすこと、さらにはマッチで火をつけることさえ原始的に映る。同様にコンピュータに命令して作業させることが当たり前の世界ではコンピュータ向けの言語でプログラミングしなければ動かない状況は困ったものになる。