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林田力 東急不動産消費者契約法違反訴訟

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林田力書評・豊臣秀吉

豊臣秀吉の系図学』は豊臣秀吉の系図を調べた書籍である。その結論はサブタイトルが示している。秀吉の先祖は近江に縁があり、鍛治に縁があり、さらに遡れば渡来人が登場する。秀吉は平民から天下人に成り上がった人物であるが、その祖先にも歴史がある。祖先のない人物はいないと再確認させられる。

豊臣秀吉の家臣団は加藤清正らの武断派石田三成らの文治派の対立が有名である。これは尾張時代の古くからの家臣と近江長浜で新たに召し抱えられた家臣の対立と分析されることも多い。しかし、本書の指摘するように近江に地縁があるならば古くからの尾張派と新参の近江派という分析は一面的になる。

尾張の百姓の子とされた秀吉が近江にルーツがあったというと随分離れた感覚がある。中部地方近畿地方という現代の地理区分の感覚があるためである。しかし、近畿地方滋賀県中部地方岐阜県は接しており、県境の村同士の距離は近い。上からの行政区画で見てはならないことに気づかされる。

秀吉の一族が鍛治と縁があるという点も興味深い。旧来の歴史学では支配者の武士と被支配者の農民という一面的な視点が強いが、権力に服しない様々な職能があった。ジブリ映画『もののけ姫』の世界である。そのような異能集団が秀吉というユニークな存在の背景にあったと考えると面白くなる。