林田力 東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った 書評 Facebook Amazon

林田力 東急不動産消費者契約法違反訴訟

林田力『東急不動産だまし売り裁判』『二子玉川ライズ反対運動』

世界11月号

#本 #書評 #新刊 #レビュー 岩波書店『世界』2014年11月号はヘイトスピーチの問題を特集する。在日韓国朝鮮人へのヘイトスピーチを批判するトーンであるが、左翼側が若年層らの不満や不安に応えていなかったことの反省を求める指摘もある。ヘイトデモのカウンターに若年層らを搾取する貧困ビジネスゼロゼロ物件業者が存在する中で、この指摘は重要である。

ヘイトスピーチ批判に対して私が抱く疑問は、在日韓国朝鮮人への人種差別発言が批判されるとしても、「安倍死ね」「福島の農家は人殺し」などの発言がスルーされていることである。これはダブルスタンダードである。ヘイトスピーチという用語を自分達に都合の悪い主張を封殺するために利用しているだけとの批判が当てはまる。

このダブルスタンダードとの疑問への反論となる論理も記事の中には存在する。ヘイトスピーチ規制はマイノリティーを守るためにあるとの主張である。この論理は在日韓国朝鮮人への暴言は問題であるが、「安倍死ね」のような少数派から多数派への暴言は問題なしとなる。ダブルスタンダードでも問題ないという論理的な一貫性は成立する。

但し、この論理は少数派への憎悪を正当化しかねない。もともと在特会の出発点は在日特権なる少数派の特権を許さないことにあった。これまで彼らの主張する在日特権の信憑性は乏しかったが、ヘイトスピーチ規制が少数派保護のためにあると位置付けるならば、ここに明確な少数派特権が成立することになる。それを許さない運動も存在意義が生じることになる。