林田力 東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った 書評 Facebook Amazon

林田力 東急不動産消費者契約法違反訴訟

林田力『東急不動産だまし売り裁判』『二子玉川ライズ反対運動』

辺獄のシュベスタ

竹良実『辺獄のシュベスタ』(ビッグコミックス)は神聖ローマ帝国の異端審問、魔女狩りを描いたサバイバル歴史漫画である。魔女狩りが行われ、魔女とされた親から離された少女たちが一箇所の修道院に集められ、集団生活を強いられる。そこから主人公は復讐を胸に生き抜いていく。

このヨーロッパの魔女狩りは凄惨である。この凄惨さへの反省が信教の自由や内心の自由に結実した。そこは評価しなければならないが、当時の人々には地獄であったことには変わりない。この凄惨さは日本人からは一神教の独善の結果と理解される傾向がある。そこには八百万の神々を信仰する自分達はもっと寛容という自惚れが見え隠れする。

しかし、本作品で描かれた主人公らへの抑圧は、日本型集団主義による個人への抑圧と似ている。ブラック企業パワハラや学校のいじめ、移住者への村八分から左翼学生運動の査問会ごっこに至るまで日本の至るところに見られる。不都合な真実を知る賢者が魔女として告発される展開は東急不動産だまし売り裁判原告として他人事ではない。主人公の決意と闘いは日本の集団に向けられたものとしても不思議ではない。遠い世界の物語ではなく、身近な問題として読むことができる。