林田力 東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った 書評 Facebook Amazon

林田力 東急不動産消費者契約法違反訴訟

林田力『東急不動産だまし売り裁判』『二子玉川ライズ反対運動』

自殺考察

『自殺考察』は死をテーマとした表題作の中編と短編二作を収録した書籍である。「自殺考察」は母親から虐待され、顔に火傷の傷を持ち、学校でイジメに遭っている女子高生が主人公である。同級生の言葉をきっかけに自殺を考えるようになり、自殺の方法を研究する。自殺が問題になる中で際どい作品であるが、優等生的に自殺は良くないと言うよりも響く。首吊りをする際の苦しさなどがリアルに描かれる。

著者は当初、本作品を無意味な死で終わらせる構想だったと後書きに書いている。それではあまりにも救いがないために現在の結末にしたという。しかし、死ぬ必要はなかったという無意味な死の結末でも十分に物語として成立するだろう。『ロミオとジュリエット』も、そのような悲劇である。

第二の話は戦時中の闇につながる話である。自己の責任回避が第一の日本軍の病理が現れている。この無責任さは軍部だけでなく、日本の公務員組織に共通する。